夏休みの自由研究2:OsmHydrantで消火栓マッピングパーティやろうぜ
Posted by higa4 on 7 October 2015 in Japanese (日本語). Last updated on 8 October 2015.すでに朝晩めっきり冷え込む季節となりましたが日本語化していたOsmHydrantが本日正式公開されました。
概要
消火栓や貯水タンクのタグはさほどポピュラーではなく、やや専門的なこともあって、それだけをマッピングするケースはこれまでさほど無かったと思います。 OsmHydrantはWheelmapとよく似たコンセプトで、汎用的なOSMエディタではなく、消火設備という領域に特化して入力の操作性や視覚化表現を工夫した誰でも使える無料のサービスです。
開発者がオーストリアのとある地域消防団員というだけあって、自分が使いやすいものを丁寧に作りこんである印象です。
編集モード
編集操作はごくシンプルで消火栓、貯水タンク、取水ポイント(河川や湖沼などから取水するポイント)の3種類を簡単な操作で登録、変更、削除するものです。後から対象を確認できるように写真を撮影、添付することもできます。レスポンシブにデザインされているのでPCと同じURLからスマートフォンでもそのまま使用出ます。つまりスマートフォンがあれば事前準備が無くても街を歩きながらその場でマッピングできるのです。
閲覧モード
閲覧モードではデフォルトで消火栓から半径200mの円が描画されます。(半径は設定で変えられます)これにより、消火栓の適切な配置を検討する材料とすることができます。
ヘルプ
OsmHydrantのサイト上では説明やヘルプも充実していますので、特にマニュアルなどなくても自然と使えます。
市民参画ツールとしての活用
当然ながら消防団員である開発者にとっていちばん必要なものになっている訳ですが、同時にこのサービスは市民参画のツールとしても活用することができます。
普段の市民生活では消火設備のことを意識する局面はあまりありませんが、このツールを使ったマッピングパーティに参加することで、自分の住む地域の消火設備の位置を把握し、いざというときの行動に役立てられる可能性があります。
専門家ではないので間違いがあればコメント欄で指摘頂きたいのですが、消火栓などの配置具合を視覚的に把握できる点は自治体(消防署)にとっても有用な局面があるのではないでしょうか。大都市の類似したシステムが整備されているところでは今更不要かもしれませんが、小規模な都市でシステム化があまりできていないところでは直接的に消防団の方の役に立つ可能性があります。ただ、緊急時に使われるモノだけに、データの精度や使い方は慎重に見極める必要があるとは思います。
また、OsmHydrantには消火設備の位置データをローカルから読み込む機能があります。たとえば静岡県裾野市では消火栓や防火水槽の位置情報がオープンデータとして公開されていますのでgpxやgeojson形式などに変換して読み込むことができます。
この情報を元にあらためて現地に行って写真を撮ったり、管理番号や水圧といった詳細情報を付加してOSMに登録することでオープンデータ+市民参画により、さらに充実したデータを作ることが可能となります。
情報の精度や網羅性とその使い道はよく検討する必要がありますが、市民参画のツールとして活用できる可能性は大いにあると思います。ぜひいちどお試しください。
Discussion
Comment from ikiya on 8 October 2015 at 00:14
OsmHydrantの日本語化良いですね! 昨年、南会津の大内宿マッピングパーティーでも消火栓マッピング、OsmHydrantでの確認をしてみました。萱葺の伝統的建造物を火災から守るため狭い範囲に数多くの放水銃が整備されていました。
http://wiki.openstreetmap.org/wiki/JA:Ouchi-juku_Mapping_Party_20141108
その際、放水銃に放水銃番号が明記されていたのでnameタグですべての消火栓に番号を入れました。最近になって、geodreieck4711さんから「hydrants with name tags: not real names moved to description 」とコメントいただいて放水銃番号は全てdescriptionタグへ変更されました。 納得しております。 ご参考まで。
http://www.openstreetmap.org/node/3178437135
Comment from higa4 on 8 October 2015 at 04:18
ikiyaさん、コメントありがとうございます。すでに消火栓マッピングやられていたんですね。狭いエリアでも網羅的にやってみると面白い結果が出てきそうですね。番号は確かにnameではなくdescriptionかrefタグだろうと思います。