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参加型地理情報が2030年までにどのように進化するか

 私は、参加型地理情報の教師データの収集方法はこれからさらに形態が増え、誰しもが「いつのまにか」データ収集に参加していたという形が一般に広まっていくと考える。現在の参加型地理情報におけるデータ収集では、スマホやPCなどの端末を持っている人なら誰でも参加することは可能であるが、事前にアプリケーションをインストールして、外に撮影をしに行くとなると地理にそこまで興味のない人にとっては少しハードルの高い作業になってしまう。そこで、普段使っているSNS(Twitterやインスタグラム、Facebook)で何気なく発信した投稿を、データ収集者が地理情報のデータの一部として使うという手法をとっていくことで、地理にあまり触れてこなかった人たちでも参加型地理情報のデータ提供に貢献できるようになるのではないか。具体的には、AIがSNSで投稿者によって発信された投稿をもとに写真・文章を解析し、発信者の場所とその場所の状況を割り出し、匿名で現場の声のデータをより大量に集めるという方法を取る。集められたそれらのデータは、例えばバスガイドの代わりに季節やその日の気温、旅行者の好みに応じて多くの人がよく訪れるルートを提案・案内したり、リアルタイムでは高速道路の渋滞情報や電車の遅延情報を提供したりと活躍する。今でも電車の遅延情報を「〇〇線 遅延」とTwitterで検索すると、誰かが遅れについて述べたツイートなどは出てくるものの実際にその人がその沿線のどこで何分遅延しているのかがわかりにくい。しかし位置情報を組み合わせて何気ない呟きの状況を明確に地図に表すことで誰でもどこでも現場の生の声を参考にできる。しかし、このようにSNSを用いる方法の一番の問題点は、発信者が間違った情報を流している可能性がある点だ。できるだけ偽りの情報を減らすためには、事前に投稿について学習したAIの力を借りて、内容のチェック作業を丁寧に行うことが求められる。

授業感想

 授業内のスライドの中にあった「一億総伊能化」というキャッチコピーはとても印象的で、自分も地理情報システムの発信者の1人として関わり続けなければならないということを強く感じました。また、様々なアプリケーションを用いた授業内の活動において、自分の家の近くであるけれど最近は足をあまり運んでいなかったところで景観を撮影したり、宝物を探したりしたことでその場所への愛着が前よりも増したような気がします。

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