日本国内での access:* タグについて その1(JapanTagging のImplies 編)
JapanTaggingの[highway=motorway]のImpliesの件ですが、 ここは今回の提案の’きっかけ’となった部分なので説明いたします。
まず、話がややっこしくなっている最大の原因が JapanTaggingのImpliesが間違っているからです。 (いきなり間違いと決めつけたくはないのですが、間違いと認めないと話が進まないので…)
現行のJapanTaggingでは、
- motorcar=designated
- motorcycle=designated
- foot=no
- bicycle=no
となっていますが、access=yes がデフォルトなので access=no としなければ、軽車両、耕運機、スノーモービルも yes になります。
海外の人やアプリが[highway=motorway]を認識する際には OSM標準でのImpliesで、
- access=no
- motor_vehicle=yes
で認識します。 Impliesに access=no があることによって「OSMの編集に不慣れな方」は access=yes/no を意識しなくて済みます。 なので、JapanTaggingの[highway=motorway]のImpliesにも
- access=no
と明記すべきです。
JapanTaggingの[highway=motorway]のImpliesに access=no が入っていない理由のもう一つの解釈として、 「OSM標準の上に 日本固有の JapanTagging がかぶせてある」(つまりOSM標準は省略されている)と解釈した場合、
- access=no
- foot=no
- bicycle=no
- motor_vehicle=yes
- motorcar=designated
- motorcycle=designated
となっている。と解釈することができます。 この場合、
- foot=no
- bicycle=no
が冗長になります。
OSM標準とJapanTaggingとの違いは
- motorcar= yes <–> designated
- motorcycle= yes <–> designated
のほんのわずかの違いでしかありません。
’’’ ほんとうにそれでいいんでしょうか? ‘’’
というのが今回の私の提案のきっかけです。(4年ぐらい前の話です) 以来ずっとこのことが引っかかってきました。
■ OSM標準とJapanTaggingとの違いが 実質的に違わない程の差であることのメリット → 海外のアプリがそのまま日本でも適用できる!
これは大きなメリットです。 OSMは「世界地図」なので、日本独自のルールを定義するとその部分が世界標準から隔絶してしまします。
しかし、日本独自のルールが存在することも事実です。 例えば、
- 「小二輪」は高速道路を走行できない
を、JapanTaggingでは
- motorcar=designated
- motorcycle=designated
- foot=no
- bicycle=no
でなんとなく表現しているつもりになっているように見えるのです。
- 「小二輪」→ moped * moped は motorcycle とは別物。
だから、[moped = no
]
とみなすことができるような気がする。
だとすると、 motor_vehicle=yes
はJapanTaggingには含まれないことになります。
JapanTaggingと OSM標準が含まれないとすると、WorldWideと日本とでは highway=motorway
の定義が異なることになります。
JapanTaggingに対応していないアプリは、motor_vehicle=yes
と解釈するので、「moped=yes
」と誤って認識してしまいます。
実際のところはJapanTaggingに対応したアプリはほとんど皆無に近いと思います。 現行のアプリはほとんどが Maps.me のような海外製のアプリですし、OSMの理念から言っても 「海外製のアプリでも日本を正しく認識できるべき」だとおもいます。
ではどうすればいいのでしょうか?
わたしの考えは、まずは JapannTaggingを
- access=no
- motor_vehicle=yes
- motorcar=designated
- motorcycle=designated
として、解釈の揺らぎをなくすことと 世界とJapanとの差をごく軽微なものにします。 そのうえで、
- moped=no
- mofa=no
- agricultural= yes / no
等を付け加えさせるようなガイドラインを作成する必要がある と考えました。
そのガイドラインが今回の提案です。
その他、こんな調子で「小二輪」から始まって 「大型等」などをひとつひとつ検討していった結果です。 検討の際に Implies 以外にもいろいろと問題が出てきました。 それらを解決するために4年かかっています。
そのほかにも 今回の提案を作成した際に下記の点に留意しています。
■ 世界のアプリと日本のアプリで実質的な解釈の相違がでないようにする
■ いままでに入力されたPOIの再編集を伴わない提案にする
■ 道路標識の記述を正確にタグ変換できるようにする
■ 誰がやっても同じタグ付けになるようにする
この提案に行きつくまで何度も方式変更をおこないました。 まだまだ改善点があると思います。
引き続き 皆様の ご意見 質問をお待ちしています。
交通標識の写真も募集しています hayashi.yuu@gmail.com
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