OpenStreetMap

OSMstatsから読み解くマッパーコミュニティの現状

Posted by MAPconcierge on 14 December 2016 in Japanese (日本語). Last updated on 16 December 2016.

この記事は OpenStreetMap Advent Calendar 2016 (12/15用) として投稿しました。

OSMstatsから読み解くマッパーコミュニティの現状

About OSMstats

OSMstats は世界中の OpenStreetMap ユーザーコミュニティ活動量が毎日どのように行われているのか、定量的な統計情報を整理して、見える化するサービスです。 運営は altogetherlost.com & Pascal Neis (neis-one.org) チームが行っています。

http://osmstats.neis-one.org/

何がわかるの?

様々な情報が可視化されていますが、主に次の情報が便利です。

  • OpenStreetMapユーザーアカウント総数の時間遷移
  • 日別のアクティブマッパー活動量
  • 国別のアクティブマッパー数

これらの情報を、それぞれ見てみましょう。

OpenStreetMapユーザーアカウント総数の時間遷移

### OSMstatsトップページを開く これは簡単です。OSMstatsのトップページを開くだけです。

Number of registered OSM members

左上の Number of registered OSM members の情報を見ます。2016/12/15 の時点では、3,285,076ユーザーアカウント、約330万マッパーによって今のOpenStreetMapはデータ更新されています。但し、この数字は現時点で有効なアカウント数であり、過去に作ったっきり使われていないアカウントや作業の目的によって複数アカウントを使い分けている人も含まれていますので、実際の人間としてマッパー数はこの数字よりも小さくなります。

グラフの時間軸を少縮尺にする

横軸を時間軸に、縦軸をユーザーアカウント数でプロットした二次元グラフを見てみましょう。また、2012年から現在までの遷移を見てみましょう。

ユーザー数の増加傾向に変化

このグラフをよく見ると、ユーザー数の増加傾向に何度か変化が起きていることが読み取れます。一つは、2012年6月前後からの増加(①)。二つ目は2013年4月前後からの増加(②)、そして最近も 2016年4月からの増加傾向(③)。さあ、ここからその背景を、、、と書きたいところですが、この問いは青山学院大学の古橋ゼミの課題に使うのであえてここでは問題提起のみに留めます。後日学生達の分析を追記公開します。

日別のアクティブマッパー活動量

上記のユーザー増加数の中身を判断するには、実際にマッピングを行っているユーザー数である No. of daily active members overall と比較することが大事です。これは日別のアクティブマッパー数のグラフで、例えば 2016年4月からの増加傾向は、ユーザー数が増えているだけでなく、連動してアクティブマッパー数も同じタイミングで増え始めています。

国別のアクティブマッパー数

最後に、国別のアクティブマッパー数を比較してみましょう。先程までは世界全体の傾向を追っていましたが、OSMstats上に並ぶ Countries タブリンクから表示を切り替えると、各国ごとの集計表が登場します。時差もあるので、2日くらい前に設定したほうが正しく表示されることが多いです。2016/12/14時点では日本は世界でTOP10のポジションにいます。

今度は、Japan をクリックして、日本のアクティビティ(実際には日本エリア内でのマッパーアクティビティであり、日本人だけでなく遠隔からのアームチェアマッピングも加算されています)を見てみましょう。

日本でも 2016年4月から、アクティブマッパー数が増えているように見えますが、これはグローバルなOpenStreetMapのマッパー数の増加傾向と関連性があるのでしょうか?それとも日本独自の現象でしょうか?いずれにしてもこのような定量的な数値を元に、世界と日本のマッパーコミュニティがどのように変化しているのか、マクロな視点でのコミュニティ分析も大事な見方です。

Discussion

Log in to leave a comment